2024.03.26 RESPECT FOR  =TAKESHI=

昨年リリースしたカバーアルバム「TEENAGE DREAMS」。
そのCDのライナー?ブックレット?に使用する目的で昔の写真が欲しいと言われていた。
写真はそれなり多く撮られてきたけれど、自分の写真を見返してみるなんて事はしないので、どこに何があるのかもよく分からない。
とりあえずそこら中ひっくり返してみるしかなかった。

そして見つけた1枚の写真。

とある場所の雪深い山道。
車にチェーンを巻いているオレと、その後ろでカメラ目線で微笑んでいる人がいる。
バクチクの櫻井敦司さんだ。
おそらく、まだみんな20代だった頃の1枚だ。


昨年末のバクチクの武道館でのライブは、
櫻井さんの訃報後の初めてのライブという事で、その場にいる全員がある種の緊張感に包まれていたと思う。

新しいスタートを切ったバクチクは、見事にこの難しい状況を乗り切った。
もちろん何が正解は本人達にもわからないだろう。
それでも、ただ前に進むんだ。

メンバー自身のため、ファンのため、あっちゃんのため。
理由は何だって良いよね。
バンドはそこに存在し、鳴らすべき音と場所がある。
それだけで十分だ。

少しばかり親しい付き合いをさせてもらっているオレには、少なからず「どうするのでしょうね?」と聞いてくる人もいた。
もちろん答えは「知らない」だ。
本人達だって答えが見えているとは思えない。
外野がわかる事などあるはずが無い。

分かる事はみんなと一緒。
彼らは「前に進む」と言っているから前に進んでいくんだろう。
それは想像するに簡単ではないだろうし、迷い道、間違った道、色々とある事もあるだろう。
でも前に進む、それがバクチクの答えだし、素晴らしいじゃん。

バンドなんて、そんなもの。

どれだけデカい会場をいっぱいにしようが、どれだけ札束が舞う状況を生んで、そこに多くの人間が群がって来ようが、
結局のところバンドはそのメンバーの気持ちと音が全てだ。

このメンツで鳴らしたいから鳴らす。
それだけだ。

バンドなんて、そんなものだし、だからきっと素晴らしいんだと思う。


20代の頃のその写真。
それはプライベートでバクチクと彼らの仲間達で遊びに行った時の思い出の一枚。
何故だかその集まりに誘ってくれて、彼らとは別に自分の車で参加した。

バクチクのメンバー達は雪山仕様にしてある車でスイスイ進む。
オレはノーマルタイヤでトランクの中にチェーンを積んでいた。
山道に入りしばらく進むと、さすがにヤバそうになってきた。
オレはチェーンを付けて後から行くから先に行ってて、と彼らに伝えた。

だけどさ、彼らはオレがそのめんどくさいチェーン付作業をしている間、雪山の中で待っていてくれるんだ。
「気にしないで、先行ってて」と言っても、何も言わずに待っててくれている。
雪のぶつけっこをしてワチャワチャしている姿が、オレの後ろでチラチラしている。

そんな中、櫻井さんが「手伝うよ」とやってきてくれた時の写真がそれだ。

バクチクのメンバーってそういう人達だ。

上手く伝わるか分からないけれど、子供の頃に親戚のお兄ちゃん達に会っていた時の様な感覚。
飾り気も高飛車な所も無く、謎の包容感で受け入れてくれる人達。
日本を代表するロックスターである彼らの、オレが感じた彼らの素の姿の感想だ。


今井寿という人はオレにとって特別な人だ。
ただの横浜のバンドマンだったオレに対し、初対面で「ファンだ」と言ってくれ、その時からまるで仲間であるかの様に接してくれた。
何者でも無いオレをね。
その今井くんが無条件に受け入れてくれたオレを、また彼の仲間であるバクチクのメンバーも無条件で仲間に入れてくれた。
それから30年、変わらずの付き合いをしてくれている。


人生において、同じ状態が長く続かない事くらいは学んだ年齢になっている。
出会いがあれば別れがある。
当たり前の事だ。

バクチクは新しい章に入った。
バクチクの新しい音は、やっぱり”5人”で作り上げている音である事には変わらないだろう。
バンドって、そんなものだ。

新たな章を楽しみにしています。




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2024.03.13 SPRING HAS COME TOUR 終演  =TAKESHI=

SPRING HAS COME TOUR_Chap2やっとできたファイナル、来てくれたみんなありがとう!
間は空いてしまったけれど、無事に終われて良かった。
新しい季節は始まったばかり。
これからも楽しんでいこうぜ。

ミート&グリートで会えたみんなにも沢山の力をもらえました。
多くの人達が長い期間を共有してきた仲間達で、みんなの熱い想いがとても嬉しかったよ。
みんなの言葉を胸に、これからも歪ませ続けていきます。


そしてツアーファイナルの少し前、大阪でのバルザックとのツーマンにも来てくれたみんなにもありがとう。

バルザックとのライブはもっとやらなくては、だね。
年一でやっても良いくらいだよね。
気の合う仲間達とは、たくさんの時間を共有したい、そんな風に思ったライブでした。


新しい季節と共に、新しい章FIGHT & PRIDE TOURが決まりました。
FIGHT & PRIDEが何かは、もう少ししたら分かるはずなので楽しみにしていてください。

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2024.02.25 Here we go!  =TAKESHI=

いよいよ2024年に入って最初のライブが迫ってきています。

昨年の締めのライブは延期という、なんとも申し訳ない形で終わってしまったけど、やっとあの時の忘れ物を取りにいける。
来れなくなった人にはすまないけれど、集まれるみんな、楽しみましょう。
今度こそ、春がやってくるよ。

そして、その前には大阪でバルザックとのツーマン。
この組み合わせに説明はいらないよね。
この日も、今からとても楽しみにしているんだ。
最高の1日にしよう。


ライブのリハも始まって、だんだんエンジンもかかってきました。
制作でのスタジオ作業で鈍りきった体に、AA=の歪みは強烈。
オレ自身が強制的に目を覚まさせられました。
オハヨウゴザイマス、2024。

歪みの塊をみんなに届けるので楽しみにしていてくれ。

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2024.01.10 2024年、はじまりに  =TAKESHI=

新しい年が始まって早々に、大変大きな災害が起きてしまいました。
被害に遭われ亡くなった方のご冥福をお祈りし、被災された方々のこれからの無事を祈っています。

東日本大震災をはじめ、多くの災害を思い出し、苦しい思いをする人もいると思います。
オレたちは1人ではないので、抱え込まずに、まずは周りの誰かに助けを求めてみたりしてね。
そういう人がいない時にも音楽や文学といったものも、何かの役に立てるかもしれません。
こんな時に、音楽が少しでも誰かの役に立てると良いなといつも思っています。
上田剛士のうるせー歪みは役に立たないかもしれないけれど、優しい音楽はたくさんあるので頼ってみてください。

We are not aloneのひとつのテーマとして、やれる事をやれる範囲でやろうというのがあります。
被害にあっていない自分らに何が出来るのか?
やりやすい事として、少額でも寄付という参加の仕方があるよね。
地味かもしれないけど、効果的で意味のある行動のひとつです。

AiDを見てくれていた人たちは分かっていると思うけど、小さな一歩がオレたちにも出来る事だと思います。



さて、2024年はどんな年になるのだろうか?

自分としては新しい一歩に向かい、すでに歩き出しているので、その目標に向かって進むのみ。
上田剛士のアーティストとしての生き様を通さなくてはと思っているよ。

それはもちろん新しい音だ。
楽しみにしていてください。



世の中的には変化が多い年になるよね。
アメリカの大統領選挙は世界を変える物になりかねないし、日本でも自民党の総裁選がある。
どうなる事やら。

戦争も終わる気配は無い。
さらに酷い事にもなるかもしれない。
アメリカ大統領選はその意味でも大きい。


世の中のスピード、特に色々な技術的な物はどんどん進んでいくので、新しい物が生まれて来そうかな。
AI関連などは特に新しい事が多そうだ。
自分の作業においてもAIを使うこともあるので楽しみかな。
面白い物が見れると良いよね。


個人的には何ができるかな。
YOUTH-K!!!!を見ているとキャンプなんかも楽しそうだけど、、、
まぁ行かないだろうな。笑

体は放っておくと、どんどんポンコツになるのでランニングでも始めてみるか?
うーん、向いてないなー。
じゃあ筋トレか?
イメージないね。

とりあえず新しいギターでも手に入れてみるかな。


新しい年は難しいスタートになっているけれど、それぞれみんな自分の道をしっかり進んでいきましょう。

みんなにとって2024年が良い年であることを願っています。

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2023.12.28 2023


2023年も終わりが近づいてきました。
今年も何だか色々あったね。

TEENAGE DREAMSを出したのが今年なんだけど、随分前の事のようにも感じる。

バンドとしてはパンデミックの影響が大きく緩和されて、以前の風景を取り戻せた年にもなりました。
まぁ、個人的には最後やっちゃったワケだけど…。笑
年を明けて春には、何とかリベンジをやらせてもらえる事になったので、来れそうな人は一緒に楽しみましょう。
もちろん来れない人もたくさんいると思うので、その次のライブ楽しみにしていてください。

世の中的には、あんまり良い話は聞かない感じだったかな。
何より、また新たな戦争、というか殺戮が始まってしまったのがショックだ。
普通に暮らしたい普通の人達が普通に暮らせる世の中にならなくてはいけないよね。

日本の政治については、たいして語る様な事も無いかな。
総理大臣は大変人気が無いけれど、彼の代わりが来る未来も感じない。
来年の総裁選まではね。
来たとしても期待できる人がいるとも思えないしね。
やれやれだ。

経済については全く分からないけど、このままで良い訳ないよね。


個人的には、今年は悲しい別れが多くありました。
名前をあげなくても、同時代を生きているみんなとは共有してる悲しみだよね。
憧れた先輩達のみならず、同世代の仲間との別れもあるので、今年はナーバスになる年でした。

とくに自分の人生の中で特別な関係のあるバンド、バクチクの櫻井さんの話は、
ポッカリと胸に穴が空いたような感覚になってしまい、自分でもこんな感情になるのかと驚きました。

また、母親との別れもあったりで、今年は何だかそんな年になってしまった。

まぁ、何というか。
やり残す事のない様に、自分の道を進んで行かなきゃね。
そんな事を、あらためて思った1年でした。


後は。
マンチェスターUにとって酷い年だ!!!!!
クリスマスにきた、ラドクリフ卿の25%株式購入が素晴らしいクリスマスプレゼントになる事を願うまで。


そんな訳で、2024年はさらに行くよ。
行けるところまで、突き進もう。

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2023.11.28 SPRING HAS COME・・・ならず =TAKESHI=

ライブを楽しみにしてくれたみんな、ごめん!

キャンセルなんて事にしてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
長年ライブをやって来ているけれど、自分の体調でキャンセルした事は初めてじゃないかな。
上田剛士もガタついてきたか。

しかもSPRING HAS COMEの名前のツアーをコロナ陽性でキャンセルとは、笑い話のようなオチがついてしまったよ。笑

振り替えについてはスタッフ共々、検討中なので、もうしばらく時間をください。



そしてライブの時にみんなに伝えようと思っていたんだけど、AA=15周年ということです。
これも本当に、AA=の音を聴き続けてくれて、ライブに来てくれるみんながいるからです。
ありがとう。

結局、仙台だけになってしまったけれど、ミート&グリートで会えたみんなからも30年来と言ってくれる人もたくさんで、
ありがたいなと心から思いました。

本当にみんな、ありがとう。

これからも、やれる所まではやるので、上田剛士の歪音にお付き合いください。


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2023.10.11 近況10月、曲出したりライブやったり  =TAKESHI=

10月になっちゃったってさ。
時が経つのは早いね。

夏は暑すぎて何もやる気がしなくなったけど、涼しくなってきてやる気は出てくるのだろうか?

とはいえ。
少し前になるけれど、ちゃんとやる気を出して作り上げた新しい音源が発表されました。
DEVIL ANTHEM.に提供した新しい歪音です。
いつもながらアイドルという世界が全くわからない人間が好き勝手に作った音源です。
気に入ってもらえると嬉しい。

ドラムには、いつも通りYOUTH-K!!!が参加。
そしてAA=マニピュレーターの1人でもある、上水流くんもギターで参加してます。
オレの弾くディストーションギターとは対照的なアルペジオを聴かせてくれます。
また作詞では、もう1人のマニピュレーターの山下くんが参加。
彼は多くの女性アーティストに関わっているので、オレよりもこの手の作品との親和性が高い人物なので色々と心強い。

そして、この曲では改造して作り上げた新しいベースを使用しました。
その昔フェンダージャパンで作ったタケシモデルの5弦ベースのストックが倉庫で眠っていたので、
そいつに新たにピックアップを足してみました。
ミュージックマンタイプのデカいハムバッカーが存在感ある。
タケシ印の歪とはまた違う、なかなかヘビーな音が出ます。
色はブラックなんだけど、元々ホワイト5弦のサブとして使おうかと思っていたもの。
4弦の方のサブが黒だったので、それと同じく。
長い年月を経て日の目を見て嬉しいな。



そして今年後半戦のライブも始まりました。
まずはリキッドルームでREDLINE。
来てくれたみんなありがとう。

対バンのAFJBのJUBEEはアニメ「マジカルデストロイヤーズ」のOP曲で手伝ってもらって以来の付き合い。
CRYSTAL LAKEも過去に何度かライブの誘いを受けていたので、今回一緒にやれて良かった。
面白い組み合わせの良いイベントだったね。


そして、CLUB CITTA’でDragon Ashと。
楽しんでもらえたかな?
ひさしぶりのM SPECIESも良かったね。
ドラゴンも聴き覚えのある曲やってくれたし。笑

チッタは昔から自分にとっては特別な場所のひとつ。
自分のライブはもちろん、たくさんのアーティストも見に行った思い出の多い場所です。
35周年おめでとうございます。



そしてツアーも発表されました。
SPRING HAS COMEツアーのChapter 2です。
長い冬の始まりのDISTORT YOUR HOME、そしてSuite #19を経て、いよいよ扉が完全に開かれます。
冬の封印が解かれるSHC2。
楽しみにしていてください。

みんなで長い冬を乗り越えた事を祝い、2023年のAA=の歪を締めくくりましょう。

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2023.08.03 2023夏!  =TAKESHI=

夏、真っ盛り。
暑いよ。

もうスタジオから出たくないので、制作が進んでしょうがないです。
ウソです。

もともと夜型だけど、今は涼しくなった夜しか行動しないと決めているので、夜型人間完全体。
その代わりに昼間からのレコーディングに呼び出されたらポンコツでした。すみません。



さて8月に入り、そろそろプレミアリーグの新シーズンが始まります。

ユナイテッドのプレシーズンマッチを見る限りは、昨シーズンの得点力不足の解消はされてなく、少し不安が残ります。
テンハーグ監督の真価が問われる2年目なので、もう少し良い結果を期待したんだけどな。

新加入の選手たち。
新しいNo7はチェルシー生え抜きのマウントに。
まだチェルシーのイメージが強いので違和感はあるけれど、過去にはオーウェンも付けた事があるので、まぁまぁ。
機能してくれたら人気者になるのでしょう。

レジェンドのデヘア退団は残念ではあったけど、新GKのオナナはなかなか面白そう。
22/23 CL決勝のシティvインテルでもインパクトがあったので、楽しみだなー。

懸念されている得点力もホイルンドというデンマーク人ストライカーがほぼ決まりという噂なので、少しは解消されるのだろうか。
どんな選手なんだろう。

すでに出て行った選手たちも何人かいるのだけれど、これからも出てくるんだろうな。
フレッジは出ていきそうだしファンデベーグとかもどうなるのかな。

出ていくかもしれない中のひとり、マグワイアに対する罵詈雑言は酷すぎるので問題。
ユナイテッドに残るのであれば奮起して欲しい。
オレはもちろん彼を応援する。

本当は1番出ていくべきはオーナーという話が…
まぁその話は良いか。

個人的にはユース出身、若手がどんどん活躍してくる事を期待したいな。
まずはガルナチョ。
そして残念ながらケガしたけどプレシーズンでレギュラーの側にいたメイヌーなどがどのくらい出て来れるのか。


今年はサウジアラビアリーグがマネーに物を言わせた選手獲得がすごいけれど、
今後はその辺りでも色々と変わってくるんだろうな。

世界的な貧富の拡大は本当に大問題なので、スポーツに限らず何とかしていかないといけないよね。
派手な話は確かに楽しいんだけどね、やはりマトモとは思えない。


さて、みんなにとってはどうでも良いユナイテッドの話をいつまでもしていても仕方ないので、この辺で。
言いたい事は、暑いけどオレもがんばるので、みんなもがんばろーぜ!という事でした。

また!



ジェイ・Zがトッテナムオーナーの噂とか、それはそれでアツい!?

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2023.06.11 SPRING HAS COME TOUR Chap1終了

SPRING HAS COME TOUR Chap1終了しました。
集まってくれたみんなありがとう!
楽しかったね。

少しずつ、以前の形を取り戻しできてます。
ライブハウスのライブハウスらしい本来の姿。
やっぱり良いよね。

でも、焦る必要も急ぐ必要もない。
元に戻って行くのも、ゆっくりで構わないと思っています。
ライブに来てくれた人達はオレのスタンスをわかっていると思うけれど、
それぞれの人の置かれた環境が違うからね。

音楽は誰も排除しないし、誰も選ばない。
だからライブハウスは色々な立場の人、考えの人が共有できる、共存できる場所であるべきだと思ってます。

答えはひとつでは無いからね。

オレ達AA=は、みんなの声援があろうとなかろうと、モッシュがあろうとなかろうと、自分らのライブは変わりません。
そういう事に左右されるほどナイーブなバンドでは無いので、みんなは自由にAA=の歪サウンドを楽しんでくれ。


TEENAGE DREAMS発表後のライブという事で、ライブではちょっとだけカバー曲もやりました。
まぁ、お遊び程度の出来栄えだけど、上田剛士のエモーショナルに付き合ってもらった感じです。
ありがとう。

ライブハウスのオープン時のBGMとしてカバー曲のオリジナルを流してもらったんだけど、
ライブハウスのスピーカーからあの曲が流れてくるのも、なかなかエモかった。
個人的には、それがとても新鮮だったツアーでした。笑


SPRING HAS COME TOUR Chap1ということで、みんなChap2があると思ってるよね?
まぁ、そうだろうね。

また、ライブハウスで会いましょう。

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2023.04.06 TEENAGE DREAMS  =TAKESHI=

ティーンエイジドリーム。
誰にでも10代はあって、その人それぞれにティーンエイジドリームは存在するよね。
みんなにとってのティーンエイジドリームはどんなものでしたか?
上田剛士にとってのティーンエイジドリームが詰まった作品がカバーアルバム「TEENAGE DREAMS」です。


10代の頃に受けた刺激は、その人の人格形成に大きな影響を及ぼす。
自分にとってその中心は音楽で、その中でもパンクロックがど真ん中でした。
今回、自分の影響を受けた曲をカバーしてみて、本当に自分はこの音楽達によって作られたんだなと再確認しました。
このアルバムの話は雑誌のインタビューやラジオでの話を聴いてもらうのが良いと思うので、
そこでは話をしていない作り始めた時の話を。

数年前に活動30周年という区切りのタイミングがあったんだけど、あまりそういう事に興味がない自分としては、
ほとんど気にしていなかったのです。

レーベル、スタッフからは何かやったほうが良いとの話もあったけれど、どうにもピンと来ない。
そんな中で出てきた話の中にあったひとつがカバーアルバムでした。

自分としては「うーん、どうだろう?」と否定まではいかずとも消極的な気持ち。
30周年で何かやるつもりもわかなかったので
「時間のある時に試しに作ってみて人に聴かせても良さそうな物が出来そうだったら言うよ」と、お茶を濁して済ませていました。

そんな中、世界的なパンデミックとなったコロナウイルスの影響により世界は変わり、当然ながら自分もその影響下におかれました。
モノづくりをする身において、その環境の中で、その時の音を作らない訳にはいかず、story of Suite #19の制作に没頭しました。
音楽家としての宿命みたいなものかな。

そんなシビアな感覚の制作のかたわら、息抜きのように始めたのがカバー曲の制作でした。
ほぼ趣味のような物で誰かに聴かせるものになるとは思えずに始めました。

最初に録ったのはNEW KIDS IN THE CITY。
アルバムでも1曲目にもってきたジャパニーズパンクロックの名曲です。
単純にこのベースを自分の音で弾いてみたい、という軽い気持ちで録り始めたんだけど、
やってみたらエモーショナルで高ぶる、何とも言えない気持ちになったんだよね。
そして自分のサウンドのカラーを出すためにヘビーなキーで演ってみました。

好きだけどカバーした事は無かったので新鮮な驚き。
このベースに、あのギターが乗っかり、ドラムのビートはこうでシンセが響き、
そしてあのボーカルラインが流れてくる。
漠然と聴いていた時のカッコいい曲としてだけではなく、音楽的に分解してみて、さらにこの曲の世界に引き込まれていました。
痺れたんだよね。

カバーアルバム、ひょっとしたら面白いかも、と思った瞬間でした。

続くアレルギー、スターリン、あぶらだこ、自分の好きな曲をSuite #19の制作の間に楽しみのように作り始めた。
集めた曲を自分の密かな楽しみとして聴く物として。

そして浮かんできたワードが「TEENAGE DREAM」。
そう、まさに10代のタケシくんの夢が詰まった音源でした。

この言葉が浮かんだ時に、このアルバムはすでに完成していたのかもしれません。
後は自分の夢をどんどん詰め込んでいくだけ。
INUもYMOもRCもアナーキーも、海外パンクからキュアーまで、なんでもアリ。
だって10代のタケシくんにはそれら全てが刺激だったのだから。
そして最後のピースとして、友であり指針でもあったJiaenをカバーする事で、このアルバムは出来上がりました。

みんなには、このアルバムを手にして10代のタケシくんの夢の追体験をしてもらう事と同時に、
ぜひ自分の10代の夢を思い出してみてほしい。
切なく懐かしく、そして少しばかりの恥ずかしさと共に。笑

そして、その頃の夢に負けないくらいの夢を今も持っていけたら最高だよね。



最後に、初回盤ブックレットの中で記した高橋幸宏さん、鮎川誠さん、ワカさんに続いて、
坂本龍一さんの悲しいお知らせもきてしまいました。

坂本さん、ありがとうございました。



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