2021.12.21 story of Suite #19  =TAKESHI=

新しいアルバム『story of Suite #19』発売されました。
今回のアルバムは、少しいつもと違うアルバムだって事、感じてもらえたと思います。

今の状況、今の世界、今オレたちが抱えている問題など、テーマとしては色々あるんだけれど、
具体的な「出来ごと」や「誰か」ということでは無く、ひとつの物語の様に楽しんでもらえたらと思って作りました。
オペラや歌劇とかではなく、自分らしい音でストーリーを紡ぐという事をやってみたかったので、その実験をした作品です。
音楽で映画や小説の様な物を作るという自分なりの挑戦。

前振り?となった組曲のシングル「Suite #19」から言える事だけれど、
この作品は感情的な表現に重点を置いた作品で、メンバーにはいつも以上にエモーショナルな表現を求めました。
とくにドラムの表現は重要で、ザックスは素晴らしいドラムを聴かせてくれてるよね。
ドラムは特に肉体的な楽器なので、どうしても求める物が感情的な表現になる。
その意味でもさすがでした。

ドラムの音を全体的に激しく歪ませたり、レコーディングならではの音の追求もエンジニアの細井くんと研究。
ドラムとシンセだけ、ドラムとベースだけ、というシンプルな構成の曲もあるのだけれど、
そんな事は全く気にならないくらい、AA=の音は強かった。笑

他にも、レコーディング中でのディスカッションによって、ミノルがアコースティックギターを弾いてみたり、
あまりやらない表現も楽しみました。

自分やタカのボーカルは、いつもの通り2人で詰めてレコーディングしていったんだけど、
言葉の部分では、また少しいつもとは違う色が出たんじゃないかなって思ってる。
story of〜というタイトルを付けたのも、言葉の持つ意味の大事さから、かな。

レコーディングでしか使ってこなかったけどDISTORTED YOUR HOMEの時にライブデビューしたアナログシンセ、
KORG MS20も今回のアルバムでも活躍。
今までのような音源としての利用だけではなく、生演奏する形でのプレイも、また新しい可能性を求めてのもの。
これも新しい扉の一つ、かな。

ラウドで歪んだサウンド、ハードコアなブレイクビーツやキック。
上田剛士の音としてイメージされる音は色々だろうけど「今までのソレ」だけとは、また少し違う今作。
フィジカルなライブという時間を失い、よりエモーショナルな時代に作った作品だからね。
ネガティヴな要素も音に変えて新しい作品を作り、今に対する自分のひとつの答えを出す、という
自分なりのノルマというか、使命みたいな物をクリアできて、少しホッとしているかな。

そんな『story of Suite #19』だけど、いつも通り、ただ楽しんでもらえたら最高です。

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